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保安林:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ

https://ameblo.jp/daigotukune/entry-12818884572.html

一口に山林といっても種類はいろいろで、利用できるか否かも異なります。こんな判決がありました。

◎事件の概要
A社は、1972年に、別荘を開発するため土地を買いました。登記地目は山林です。この山林は、前所有者が植林をするために村から買ったものでした。

A社は、別荘開発資金を借りるため、その土地に抵当権を設定しました。ところが、いよいよ開発というときになって、村からその土地が保安林であることを知らされました。その結果、事業計画は中止せざるを得なくなりました。

なお、登記地目は山林のままで、保安林への地目変更はありませんでした。

A社はついに倒産し、融資元は抵当権を実行して競売を申し立てました。同時に、融資元は村・県・国の三者に対して損害賠償を求めました。
(岡山地判昭57.1.25)

◎判決
地目の変更登記を行わなかった村について、責任を一部認めました。しかし、県と国については責任がないものとしました。

◎解説
裁判所は、「本件土地を売却した時点において保安林への地目変更登記手続きをとらなかったことに過失がある」としました。

しかし、資金の融資元に対しては、「融資に先立ち現地での調査」を怠った点、また「村との協議」を怠った点に過失があるとしました。

よって、損害額とした2000万円について7割が過失相殺され、村に600万円の支払を命じ、国と県には責任はないとしました。

保安林制度とは、水を育んだり、土砂崩れなどの災害を防止したり、美しい景観や保健休養等の場を提供したりする重要な森林を「保安林」として指定するものです。

そして、このような機能が失われないように、伐採や土地の形質等の変更などをできるだけ制限し、適切に手を加えることによって期待される森林の働きを維持しようとするものです。

保安林内の立木を伐採しようとする場合や、土地の区画形質の変更等には知事の許可が必要です。また、立木を伐採したあと、木を植えなければもとの森林状態に回復しない場合には、植栽が義務付けられます。

◎不動産鑑定の見地から
このように、保安林の現状を変更するのはほとんど不可能です。それゆえ、価格水準は通常の山林に比較して大幅に低くなります。これを見落とすと、見当違いの価格を求めてしまうことになります。


■編集後記■━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………


東電福島第一原発からの「処理水」が、8月24日から太平洋に流され始めました。

「処理水」と言っていますが、ごまかしですね。正しくは、メルトダウンした東電福島第一原発の一次冷却水が混じった汚染水というべきでしょう。敗退を転進、全滅を玉砕と言い換えた78年前と変わるところがありません。

問題点はいろいろありますが、一つだけ。

薄めて基準値を下回るのだから流してもかまわない、という点です。

これなら、いくらでも流すことができるのではありませんか。トリチウムの総量が多ければ、それだけ多くの海水で薄めればいいことになります。

流しまくっても、海水のトリチウム濃度が基準値を上回ることは永久にないと考えているのでしょうか。しかし、トリチウムの生物への影響はまだわかっていない点があるそうです。

全世界の原発や核燃料再処理工場がトリチウムを流しまくって、海水のトリチウム濃度が上がったらどうするのでしょう。大変?いや、基準値を上げれば問題なしとなりますか。

二酸化炭素を放出し続けた結果が地球環境問題です。自然は無限ではありません。