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エキスパンジョンジョイント:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ

https://ameblo.jp/daigotukune/entry-12159823442.html

今回は、不動産用語の話です。しかし、不動産用語というよりは建築用語ですね。

熊本地震の後、まだ余震が続いています。お亡くなりになった方の無念、避難されている方のご苦労は、察するに余るものがあります。

さて、この熊本地震では、熊本市内の13階建てのマンションに亀裂が入ったとして、一部で騒ぎになりました。

しかし、これは騒ぐような問題ではありません。亀裂が入った部分は「エキスパンションジョイント」といい、地震による衝撃を緩和するものです。

ですから、むしろこのマンションは安全設計がされていたことが明らかになったわけです。

エキスパンションジョイントとは、複数の建物をつなぐものです。普段は、渡り廊下をつなぐものとして使用されます。

さて、地震の際は、複数の建物がある場合にはそれぞれ違った揺れ方をします。

L字型のマンションを考えてみましょう。L字のそれぞれの建物は、地震の際には別々の方向に揺れます。マンションは上から見ると細長い建物ですから、奥行きの短い方向に揺れるわけです。

この場合、全体がL字型でがっちりと建築されていたらどうでしょう。

90度違った方向に揺れるのですから、建物の弱い部分が壊れてしまいます。

エキスパンションジョイントは、建物を緩く結合することにより、躯体が壊れるのを防いでいます。

さて、このようなエキスパンションジョイントですが、中には脱法的な使われ方がされる場合があります。

エキスパンションジョイントを使って複数の建物をつなげば、それらは一棟の建物とみなされます。

本当に近接している建物で、地震対策として使われるのであれば問題はないでしょう。

しかし、大手のマンションディベロッパーの物件の中には、数十メートルもの長さの渡り廊下をエキスパンションジョイントでつなぎ、一棟の建物として建築確認を得ているケースがあります。

一棟の建物とみなされれば、延面積の広い建物を建てることができます。主に、斜線制限や日影規制を逃れることができるからです。

しかし、いくらなんでも数十メートルの渡り廊下はないでしょう。これらのマンションについては、建築確認の是非について周辺の住民から訴訟が起こされることもありました。

エキスパンションジョイントの専門業者のウェブページです。参考になさってください。

http://www.mfrontier.co.jp/business/knowledge.html