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共有による減価:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ

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今回は、土地の増減価要因の話です。共有による減価を取り上げます。

共有されている土地の場合に、仮にある一名がその土地を売却しようとすると、他の共有者の同意が必要になります。

同意が得られなければ、売却ができなくなります。売買だけではなく補修等を含む維持管理に際しても、常に他の共有者と協議して同意を得なければなりません。

したがって、土地が共有されている場合には、その土地の価格に単純に持分割合を掛けた金額がそのままその共有持分の価格となるわけではありません。すなわち共有されていることによる減価が発生し、しかもその程度は共有者が多くなればなるほど大きくなるといえます。

以上のように、共有されていることによる減価の発生要因は、不動産の所有権を有するにもかかわらず自分の意思のみによる管理・処分が難しいという点です。

他方、土地が共有されている場合でも、減価が生じない場合があります。すなわち、複数の共有者が同時に特定の共有者(1人又は1社)に持分を売却する場合と、共有者全員が同時に第三者に一括売却する場合です。

これらの場合は、購入者は単独の所有権を取得するため、上で述べた要因による減価は発生しません。

しかし、特定の者の共有持分のみを第三者に売却しようとしても、市場での購入者は皆無に近いと考えられます。この場合には、管理や処分が迅速にできないという要因の他に、市場における売却可能性が大幅に減退するという要因が加わります。

したがって、共有されている土地を売却しようとする場合には、まず共有状態を解消して市場性を回復させてからということになります。

なお、一口に共有とはいっても、区分所有建物(マンション等)で専有部分が単独所有、敷地部分が共有という場合には、建物利用上の制約は生じません。

よって、共有による減価は通常はみられません。

しかし、一棟全体が老朽化し、建替えが現実のものとなってきた場合には、意思統一が困難であるという面から、共有による減価が生ずることが考えられます。