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水道のない造成地:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ

https://ameblo.jp/daigotukune/entry-12380189256.html


水は人間が生きていくために欠くことができません。水が使えない土地を買ってしまったらどうなるでしょう。こんな判決がありました。

◎事件の概要
本件土地の売主は11歳の児童で、法定代理人であるその父親を代理人として売買が行われました。

この土地には水道の供給施設がありませんでした。この売買契約を媒介した不動産業者は、重要事項説明において「給水は現在、水道の口径上不可能である」と説明しました。

しかし、現地では「水道引込費用は140万円くらい」と説明していたため、買主は売主とこの媒介業者に対して損害賠償を求めました。
(大阪高判平9.3.25、大阪地判平7.10.18)

◎判決
媒介業者の責任を認めましたが、買主にも2割の過失があるとしました。しかし、売主には責任はないとしました。

◎解説
買主が購入したのは、1989年の10月で、売買金額は1,332万円でした。地価が高騰を続ける時期です。

この土地はもとは山林で、売買契約当時には既に倒産していた業者が1971年に造成したものです。

売主は、契約のときにその場に立ち会ってはいませんでした。しかし、契約の前に媒介業者に水道の供給施設がない旨を伝えていました。

また、契約後も売主は媒介業者に水道がないことの説明をしたか否かを確認していました。

買主は、引渡しの後、近くにある私設水道組合からの給水を受けられないことを知りました。また、市営の水道を利用して給水を受けるためには、すべて自己負担となってしまうため、多額の費用を負担しなければならないこともわかりました。

裁判所は「買主は140万円をかければ受水できると誤信して契約した」としました。しかし、買主の側にも2割の過失があり、媒介業者の責任を認めて、901万円の支払いを命じました。

売主については、子どもの法定代理人である父親は、水道がないことを開示して伝えているため、媒介業者が行うような重要事項説明に類似する説明義務はありません。よって、不法行為の責任はないと判示しました。

◎不動産鑑定の見地から
人間が居住したり生産施設や商業施設として利用するためには、上水道は不可欠です。これがないとすると、その土地は最有効使用の観点から、宅地ではないこととなります。そうなると、価格水準は当然大幅に低下します。

これを見逃すと、誤った鑑定評価になってしまいます。


■編集後記■━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………


先日、高校の同期会がありました。卒業してから丁度40年。長い年月が経ちました。

同期会は3回目です。前記のように卒業から40年が過ぎているにもかかわらず、80名以上が集まりました。同期生の2割を超えます。

私の出身校は、旧制中学校時代をあわせて、120年余りの歴史があります。歴史の古さゆえ、高校の敷地内に同窓会館もあります。同期会はそこで開かれました。

旧友たちと話題に花が咲きます。当時は一学年に400人以上がいましたから、当時は面識がなかった人もいます。それでも、やはり同じ時期に高校時代をすごした仲間たちですから、すぐ打ち解けます。

卒業アルバムが置いてありました。自分の40年前の姿を見ると……。歳月は残酷です。こんなふうになってしまうなんて。あ~あ。

でも、何人かから言われました。「嶋内君、変わってないね。すぐわかったよ」う~ん。喜んでいいんだか。どうなんでしょう。