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借地権と借地権価格

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◆―――――――――――― 今回のテーマ ――――――――――――――◆


他人の土地を借りてそこに住んでいるか事業を行っているだけなのに、なぜ借
地人に財産的な価値が生じるのか、また、都市部ではこれが金銭の授受を伴っ
て取引されているのか、これらは一般に分かりにくいのが事実です。

他方、長期間にわたってこのような慣行が形成されてきたのも、また事実です。

この理由については次回以降に考察しますが、ここでは借地権という権利とそ
の経済的な価値すなわち借地権価格との関係について触れてみることとします。

なぜなら、これらの関係が一般にはわかりにくく、混乱を来たす原因ともなっ
ているからです。

ここで明らかにしておかなければならない点は、「借地権があるからといって、
必ずしもこれが金銭的な対価を伴って取引されるわけではない、借地権価格が
あるとは限らない」ということです。

すなわち、権利があるということとこれに経済的な価値があるということとは、
いったん区別して考えなければなりません。まず、その理由を考えてみます。

東京や大阪だけではなく、都市部では借地権そのものが高額で取引されていま
す。このような地域では、新規に借地をしようとすれば、契約時に高額な権利
金の支払いを必要とします。

また、ある人が借地契約の途中で借地権を売却すれば、相当額の金銭を回収す
ることができます。

その理由は、その地域で借地権という権利を金銭で取引する慣行が形成されて
いるためです。

ところが、地方圏では借地権を設定する際に権利金の授受を全く必要としない
地域があります。いわば、このような地域は借地権の取引慣行が形成されてい
ない地域といえます。

このような地域では、借地権が取引される事例も少なく、仮に取引されるとし
ても金銭を授受しようとする認識は薄いといえるでしょう。大雑把な表現では
ありますが、相続税路線価図で借地権割合が20%以下の地域はこの傾向が強
いようです。


■編集後記■━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………


去る1月24日に、ギタリストの山下和仁氏が亡くなりました。享年64、早
すぎる逝去です。

山下氏は、並ぶもののない別次元のギタリストでした。ヴァイオリンのパガニ
ーニ、ピアノのリストと同格の音楽家です。ギターの歴史は彼が登場したこと
によって、全く新しい時代に入りました。

山下氏の第一の功績は、誰も思いつかず手掛けることもできなかった難曲・大
曲をギターに編曲して演奏したことにあります。

彼が世界三大ギターコンクールいずれも最年少で優勝したのが、16歳のとき
でした。その若さだけではなく完成度の高い演奏によっても、日本のみならず
世界の音楽界が沸き立ちました。

その山下氏が19歳の1980年に発表したムソルグスキーのピアノ組曲「展
覧会の絵」の編曲とその演奏は、空前絶後でした。そのLPレコードを聴いた
ときの感動を、40年以上経った今でも私は忘れることはありません。

それは、ただ弾いてみただけではなく、壮大なギター曲に仕上がっていました。
山下氏の才能・若さ・熱意があっての偉業です。これによって、山下氏の名声
は不動のものになりました。

その後も、彼はドヴォルザークの「新世界より」、ストラヴィンスキーの「火
の鳥」といった大作の編曲・演奏を発表し続けました。

「展覧会の絵」を弾くギタリストがちらほらと現れたのが、2010年代のこ
とです。初演から30年以上が過ぎ、やっと山下氏の背中が見えてきたところ
だったでしょうか。彼は、恐らく100年や200年も先に当たり前になるで
あろうことを成し遂げました。

昨今は、あまりコンサートを開かず、忘れられた作品の発掘や民族音楽の研究
に打ち込んでいたとか。他の人が手掛けなかった分野に打ちこむ様は、孤高の
大天才の新しい側面だったでしょう。

私が彼の演奏を最後に聴いたのは、もう10年も前のことです。アンコールの
最後の、リムスキー・コルサコフの「インドの歌」の演奏は白眉でした。

完璧にコントロールされた弱音による演奏は、天上の音楽たるやかくあらんと
思わせるものでした。まさに円熟のなせるものでした。

あまりにも早い逝去ですが、デビューから40年余りの間に成し遂げたことは
残り続けることでしょう。山下さん、ありがとうございました。