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新興住宅地の自主的協定:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ

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◆―――――――――――― 今回のテーマ ――――――――――――――◆


区画整然とした住宅地には、都市計画法や建築基準法以外の制限が加えられて
いることがあります。こんな判決がありました。

◎事件の概要
Xは、1995年に自宅を建て替えることをきめました。

所有している土地のある地域には開発当初から自主的協定があります。北側の
隣地境界線から建物の外壁まで1.5m以上の距離をおくという内容です。

ところが、請負契約を締結した建築業者は、この自主的協定を反映させないで
建物を設計しました。

現存の建物を取り壊した直後に、Xは隣家の住民から「新築しようとする建物
が自主的協定に従っていない」と抗議を受けました。

Xは、調査説明の注意義務が欠けているとして、その建築業者に対して損害賠
償の請求を行いました。
(大津地判平8.10.15)

◎判決
建築業者は自主的協定について調査説明義務があり、これを怠りました。裁判
所は、建築業者に対してXに990万円の支払いを命じました。

◎解説
新興住宅地内の自主的協定の効力が争われた裁判です。1.5mの距離を置く
べきであったのに約7cm超過し、この部分が協定に違反していました。

民法の規定では、建物を建てるときは隣地との境界から50cm離さなければな
らないとされています(民法234条)。

ところが、防火地域における耐火建築物については、上記の規定を無視して境
界線いっぱいまで建築することができます。

これは、「特別法は一般法を破る」という法格言のとおり、一般法である民法
に対して、特別法である建築基準法が優先するという関係が成り立つからです。

本件の自主的協定についての効力は、その地域で通例として認められているな
らば、いわば慣行として法的拘束力を持つに至ったのでしょう。

裁判所は「本件協定違反の建築により工事中止の危険性があるか否かについて
は、土地所有者(建築主)が本件契約締結の意思決定をするについて重要な意
義を持つ事項である」としました。そして、建築業者には「調査説明義務」が
あると判示しました。

◎不動産鑑定の見地から
自主的協定についても、役所の建築指導課等で調査することができます。

協定の内容如何で、土地の価格が異なってくる場合があります。本件のような
場合で土地面積が小さいと、十分な建物面積を確保することができないことも
考えられます。


■編集後記■━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………


コロナ禍の真っ最中ですね。テレビのニュースが、咳やくしゃみの飛沫が拡散
することを防ぐにはマスクやパーティションが有効だと伝えていました。

ん?パーティション?パーテーションじゃなかったの?

調べてみました。partition、確かにパーティションです。

今まで、partationかと思っていました。partから派生した単語だと。

たぶん、パーティションと書いたのを誰かがパーテイションと誤解したのでし
ょう。それがパーテーションと変化。

この歳になって一つ利口になりました。

でも、そもそも日本語で「仕切り」と言えばいいんじゃないの?