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不動産証券化のための評価(再開発ビル):不動産鑑定士嶋内雅人のブログ
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│1│ 今回の評価実例:不動産証券化のための評価(再開発ビル)
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不動産証券化というと、不動産投資信託(J-REIT)が思い浮かぶことで
しょう。しかし、それよりも小規模な投資法人が不動産証券化に取り組むこと
があります。
今回は、不動産を多く所有している法人からの依頼です。所有不動産を信託受
益権にし、関連会社に売却するというものです。信託受益権にすると、流通税
を安くできますので、このような場合にも不動産の証券化が行われます。
対象不動産は、再開発ビルです。多数の所有者や借地権者がいた土地の上に高
層の建物を建てて、そこに店舗や事務所を設けます。低層の建物を高層にする
ので、空いた土地を駅前広場等に活用できます。
そのような建物ですから、店舗や事務所には珍しく、区分所有されていました。
マンションの店舗版・事務所版といったところです。
不動産証券化の評価ですので、DCF法を適用します。DCF法は、和訳すれ
ば割引現在価値法になります。表計算ソフトが一般化するのに伴って考案され
た評価手法です。
上記のような対象不動産ですので、他の専有部分には、窓がない倉庫や10㎡
程度の狭い事務所など、珍しいものがありました。
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│2│ 不動産鑑定評価の知識:限定価格2
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不動産鑑定評価では、価格または賃料を求めます。
価格の種類には、「正常価格」「限定価格」「特定価格」「特殊価格」があり
ます。
不動産鑑定評価では、正常価格を求めるのが通常ですが、限定価格を求めるこ
ともあります。
限定価格を求める場合について、不動産鑑定評価基準は次のように例示してい
ます。
・借地権者が底地の併合を目的とする売買に関連する場合
借地は、契約条件によっては高い建物をできないことがあります。底地を購入
して完全所有権を手に入れれば、高い建物を建てられます。この場合は、正常
価格よりも高い価格で底地を購入しても、その価格は合理的です。
・隣接不動産の併合を目的とする売買に関連する場合
ある土地が道路に面していないとします。隣接する土地を購入して道路に面す
るようになれば、建物を建てられます。同様に、高い価格で購入することもあ
り得ます。
・経済合理性に反する不動産の分割を前提とする売買に関連する場合
上記の場合、売却する側の土地が不整形になる場合があります。不整形になる
と単価が下がりますから、それを補償する意味で高い価格で売却するのが合理
的です。
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│3│ 編集後記
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職人(永六輔)より
「職業に貴賤はないと思うけど、
生き方には貴賤がありますねェ」
「人間、〈出世したか〉〈しないか〉ではありません。
〈いやしいか〉〈いやしくないか〉ですね」
そのとおりですねェ。