容積率を消化しきっていない土地建物の評価(担保):不動産鑑定士嶋内雅人のブログ|新着情報

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容積率を消化しきっていない土地建物の評価(担保):不動産鑑定士嶋内雅人のブログ

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│1│ 今回の評価実例:容積率を消化しきっていない土地建物の評価(担保)
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今回の評価は、ある金融機関の関連会社からの依頼です。担保を取得するにあ
たって担保価値を把握したいという意向です。

対象不動産は東京都内にある土地建物です。賃貸されています。

これだけですと何の変哲もありませんが、特徴的なことが二つありました。

一つ目は、建物が登記されていないことです。建物を新築したら、一か月以内
に建物の表示登記をしなければならないと、不動産登記法が定めています。罰
則もあります。

しかし、自己資金のみで建物を建てる場合は、このようなことが度々行われま
す。金融機関から融資を受けないため、登記をしなければならないという動機
が働かないためです。

二つ目は、容積率を十分に消化していないことです。容積率が600%と指定
された商業地域にありますが、建物は4階建てでした。極めて単純に考えれば
あと2階分高い建物を建てられます。

このように、容積率を消化しきっていない土地は、その土地の効用を十分に発
揮していないことになります。このような土地には、建物があることによって
その価値が低下してしまうという、建付減価が発生しています。

この建付減価を考慮して評価を行いました。

なお、建付減価については、私のウェブページやブログで紹介しています。ご
覧くださると幸いです。


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│2│ 不動産鑑定評価の知識:特定価格
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不動産鑑定評価では、価格または賃料を求めます。

価格の種類には、「正常価格」「限定価格」「特定価格」「特殊価格」があり
ます。

不動産鑑定評価では、正常価格を求めるのが通常ですが、特定価格を求めるこ
ともあります。

特定価格とは、市場性を有する不動産について、法令等による社会的要請を背
景とする評価目的の下で、正常価格の前提となる諸条件を満たさない場合にお
ける不動産の経済価値を適正に表示する価格をいいます。

特定価格を求める場合を例示すれば、次のとおりです。
・資産の流動化に関する法律又は投資信託及び投資法人に関する法律に基づく
 評価目的の下で、投資家に示すための投資採算価値を表す価格を求める場合

・民事再生法に基づく評価目的の下で、早期売却を前提とした価格を求める場
 合

・会社更生法又は民事再生法に基づく評価目的の下で、事業の継続を前提とし
 た価格を求める場合

「例示すれば」とあるように、上に挙げた三つ以外にも特定価格を求める場合
はあると考えられます。

しかし、私が今まで求めたことがあるのは、一番目のもののみです。


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│3│ 編集後記
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芸人(永六輔)より

「どうして長さを跳ぶのに、幅跳びっていうの?」

ホントこれ、なんなんでしょう?英語では、走り幅跳びのことをlong jumpっ
ていうし。