事業用定期借地権とシャッター通り:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ|新着情報

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事業用定期借地権とシャッター通り:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ

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◆―――――――――――― 今回のテーマ ――――――――――――――◆


定期借地権の一つに、事業用定期借地権等があります。期間満了時に、確実に
土地が明け渡されます。

1991年に公布された借地借家法では、期間10年以上20年以下の「事業
用借地権」が規定されていました。

その後、2007年に議員立法により同法が改正され、期間30年以上50年
未満の「事業用定期借地権」が新設されました。それまでの存続期間を30年未
満まで引き上げたものと合わせて「事業用定期借地権等」として定められました。

両者とも、もっぱら事業用の建物所有を目的とするものでなければなりません。
事務所や店舗用の賃貸ピルは可能ですが、居住の安定を確保するために居住用
のマンションや併用住宅は除外されています。

事業用定期借地権では、借地権の存続期間、および更新に関する規定、建物買
取請求権に関する規定、および更新後の建物再築の代諾許可に関する規定を排
除する特約については、公正証書で契約しなければならないとされています。

事業用借地権においては、もっぱら事業用の建物所有を目的とするもので、存
続期間を10年以上30年未満と定め、公正証書で契約すれば借地期間の延長・
更新はないものとされます。この場合は、公正証書の作成が効力要件となりま
すから、賃貸期間は公正証書作成以後の日となるようにすべきです。

事業用定期借地権等の利用状況については、国土交通省が実態調査をしていま
す。

ショッピングセンター・倉庫・フランチャイズ(コンビニ・飲食店)等で利用
が多くみられます。工場やアウトレット・モールの利用もあります。

このように、借地期間が満了すると土地が戻ってくるのですから、土地を貸す
側にとっては使いやすい制度だといえます。また、一定期間だけ土地を借りて
その間だけ仕事をしたいという借主にも好都合です。

しかし、これが上記のようにショッピングセンターやアウトレット・モールで
活用されると、こんな事態が発生します。

これらが営業している間は、利用客にとっては便利かもしれません。しかし、
既存の商店街から利用客が離れ、その商店街はシャッター通りと化すことでし
ょう。実際にそうなっています。

そして、借地期間が満了し、ショッピングセンターが閉店すると、利用客は買
物難民となりかねません。


■編集後記■━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………


国語のテスト問題に、「作者は何を考えていたのか答えなさい」という問題が
あります。

ある作家が自分の作品が引用されているテスト問題に解答したところ、誤答に
なってしまったそうです。

何を考えていたかなんて、どうでもいいではないですか。私たちが本を読むと
きは、その作品を楽しんだり、その作品に没頭したりしているはずです。作者
の考えなんて、読者の頭にはありません。

こんなことをしていては、国語を嫌いになりますね。テストをしたいのだった
ら、何かテーマを与えて書かせればいいのではないですか?

いや、そもそもテストなんていらないか。