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貸主有利で借主不利の定期借家権:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ
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◆―――――――――――― 今回のテーマ ――――――――――――――◆
2000年3月1日に借地借家法が一部改正され、定期借家制度が導入されま
した。
それまでの借地借家法では、契約期間が満了しても更新が原則とされ、家主自
身が住むなどの「正当事由」がない限り、借家人に明け渡しを求められません。
これを改正して、契約期間が終われば契約が終了する定期借家制度を、新規契
約に限り導入できるようにしました。なお、再契約は可能です。以下、一般の
借家を区別して「普通借家」といいます。
国土交通省の2014年度の調査では、民間賃貸住宅では3.2%が定期借家で
す。
○契約の仕方
①賃貸借期間は家主と借家人の話し合いで決められます。普通借家と異なり、
1年未満の期間も認められます。
②普通借家と区別するため、家主は契約を結ぶ前に、借家人に「定期借家であ
ること」を、書面を交付して説明する義務があります。説明しなかった場合は
定期借家契約は無効です。
最高裁の判決は、この書面は契約書とは別個の書面でなければならないとして
います。
③契約は、公正証書に限りませんが、書面が必要です。
書面による契約を求めたり、あらかじめ定期借家契約であることの説明を要求
する趣旨は、賃貸人が賃借人に対して定期借家契約であることを十分に説明し
理解させる点にあります。
賃貸人側としては、文書できちんと説明したうえ、その書面を交付した受領証
を借家人から受け取っておく等、トラブルにならないよう備えておく必要があ
ります。
説明は代理人が行ってもいいですが、仲介業者が重要事項説明を行っただけで
は、賃貸人の説明義務を果たしたことにはなりません。
④同法施行前の2000年2月末までに結ばれた居住用の賃貸借契約は、3月
以降に更新しても定期借家制度は適用できません。既存の契約を合意解約して、
定期借家に切り替えることもできません。
事業用の借家は定期借家に切り替えることが可能です。
○明け渡し
明け渡しを求めるには、期限の1年前から6か月前までに借家人に通知するこ
とが必要です。
○中途解約
借家人は原則として期限まで借り続けなければなりませんが、床面積200㎡
未満の住宅では、転勤や親族の介護などやむを得ない事情があれば中途解約で
きます。
夫婦に子供が生まれ、住宅が手狭になった場合なども、「やむを得ない事情」
と解されます。
○再契約
契約で定めた期間が満了すれば、いったん確定的に契約は終了します。しかし、
賃貸人貸借人双方合意することにより改めて再契約をすれば、引き続きその借
家に居住できます。
このように、確実に賃貸借契約を終了できるのですから、賃貸人に有利で賃借
人には不利だということができます。
■編集後記■━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
八月初めに引っ越しました。居宅・事務所の両方です。
居宅は下記の川越の常駐事務所で、事務所は川崎市多摩区です。事務所の電話
番号を変えたくないので、新事務所は旧居の近くです。
それにしても、荷物が大量になりました。これほどの荷物がどこにあったのだ
ろうとさえ思います。
多いのが、書籍や雑誌です。
天井までの高さの本棚三本に収納し、収納できないものは本棚の本の前の空間
などに置いていました。多いのは確かですが、なんとか収まっていました。
ところが、それを全部段ボールに詰め込むと、大変な分量になりました。壁に
並べておくとそれほどとは感じないのですが、積み重ねるとかなりのものにな
るのですね。
暑くて面倒なのですが、片付けなければ仕事になりません。早く涼しくなって
くれ。