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家賃の評価(小売店舗):不動産鑑定士嶋内雅人のブログ
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│1│ 今回の評価実例:家賃の評価(小売店舗)
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今回の評価対象不動産は、あるチェーンストアが借りている店舗です。借主で
あるそのチェーンストアが賃料の減額交渉に使うため、家賃を評価してほしい
との依頼がありました。
評価対象不動産について調べてみると、気になる点が二点見つかりました。
一点目は、実際の土地の面積が登記面積より約1500㎡も少ないことです。
登記面積は4700㎡余り、実際の面積は3200程度です。
この点については、いわゆる「縄伸び」だと思われます。
現在の登記面積の基礎となっているのが、明治時代の地租改正における測量で
す。昔のことで正確ではありませんし、地租を多くとられないように農民たち
は実際の面積よりも小さい面積で測量しました。
もう一点は、建物の面積です。賃貸借契約書の面積が登記面積の二倍以上です。
恐らく、増築をしても表示登記を変更しなかったのでしょう。
評価をする立場としては、実際の面積で経済活動が行われているのですから、
実際の面積を採用するのが妥当です。
そのようにして評価は無事終了しました。
依頼されたチェーンストアの担当者の方によると、一定程度の家賃の減額がで
きたそうです。
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│2│ 不動産鑑定評価の知識:対象不動産の確認
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不動産の鑑定評価に当たっては、対象不動産の確定・価格時点・価格または賃
料の種類といった基本的事項とともに、鑑定評価書の依頼者・提出先・開示先
について確認します。
鑑定評価の基本的事項が確定されることにより、鑑定評価を行う際の作業の性
質・量等が定まってきます。
当たり前のことですが、鑑定評価にあたってはどの不動産が評価対象なのかを
確認しなければなりません。また、不動産には所有権の他に地上権・賃借権と
いうような権利が存在することがあります。
対象不動産の確認とは、先に確定された対象不動産が現実にどのような状態で
存在するかを「実地調査、聴聞、公的資料の調査」を通じて確認することです。
そして、それは物的確認と権利の態様の確認とからなります。
次回以降は、物的確認と権利の態様の確認についてご説明します。
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│3│ 編集後記
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無名人名語録(永六輔)より
「年寄りが言うでしょう。
『旬のものを喰べると七十五日は長生きできる』って。
『人の噂も七十五日』っていうのもありますけど、七十五日って何か理由の
ある目安でしょうか」
確かに不思議ですね。何だろう。ウェブで調べてみました。
『数字のことわざ探偵団』童心社(38/ク)92pに記載あり。
「七十五」には「おわり」とか「果て」という意味がある。
昔から日本では15日を一節気とよんで、気候の一くぎりにしていた。5は
「いっぱい」とか「全体」をあらわすもので、節気が5回あると気候もすっか
り変わってしまい、一つのことがらがおわってしまうことから、75日はもの
ごとのおわり、果て、限界という意味になった。
レファレンス協同データベースより
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000176747
レファレンス協同データベースは、国立国会図書館が全国の図書館等と協同で
構築している、調べもののためのデータベースだそうです。
あっさりわかってしまいました。ウェブサイトもこのように役立つものばかり
だといいのですが。