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市街化調整区域内の土地建物の評価(資産評価):不動産鑑定士嶋内雅人のブログ
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│1│ 今回の評価実例:市街化調整区域内の土地建物の評価(資産評価)
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本件は、ある上場企業からの依頼です。対象不動産は地方圏の市街化調整区域
内にある複数の土地と建物です。
市街化調整区域にあるため、原則としてそれらの土地には建物を建てることが
できません。
この点について役所で聴取しましたが、はっきりした結論が得られません。航
空写真を提示せよとのころです。
都市計画法には、市市街化調整区域の土地であっても、市街化区域と市街化調
整区域との線引き前から建物が建っている土地であれば、建物を建てることが
できるという制度があります。
そこで、線引き前の航空写真を提示する必要が生じました。
航空写真では、その土地に建物が建っていることが確認できました。これで、
大丈夫です。
評価は無事終了しました。
この鑑定評価では、印象に残っていることがあります。土地の所在を示した通
称「公図」というものがあります。その公図をみると、地番が振ってある細長
い土地をたどっていくと、「水」という表示がみられます。
水は水路を示します。水路には地番は通常は振られません。どこかで、地番が
振られた土地と水路との境界があるはずですが、それが見当たらないのです。
公図のもととなった旧公図は、地租改正のときにつくられたものが多くありま
す。地租改正は、1873年のこと。明治初期です。不正確であっても仕方あ
りません。
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│2│ 不動産鑑定評価の知識:権利の態様の確認
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対象不動産の確認とは、先に確定された対象不動産が現実にどのような状態で
存在するかを「実地調査、聴聞、公的資料の調査」を通じて確認することです。
対象不動産の確認には、物的確認と権利の態様の確認があります。
権利の態様の確認とは、物的に確認された対象不動産について、その不動産に
ついて存在する全ての権利関係を明瞭に確認することにより、鑑定評価の対象
となる権利の存否及びその内容を照合することをいいます。
その際には、登記等のされていない権利についても、現地調査・聴聞・公的資
料の調査において知り得る限りの範囲の調査をすることにしています。
一つの不動産について、複数の権利が存在することがあります。貸している土
地であれば、所有権と賃借権が存在します。
不動産鑑定は、対象不動産についての権利を評価するものですので、権利の態
様の確認が必要になります。
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│3│ 編集後記
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商(あきんど)人(永六輔)より
「500円のコーヒーを、そのまま900円にしたんです。
えェ、お客様はビクともしませんでした。
安ければ来るという時代から、
高くても来るという時代になりました」
この本の初版は、1998年。こんな時代があったんですね。今はもう……