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災害地名を覆い隠すイメージ地名:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ
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◆―――――――――――― 今回のテーマ ――――――――――――――◆
地名は、もともとは地形や地勢を表すものでした。それだけに、災害がおこり
やすいことは地名でわかることもありました。しかし、地名も変化していきま
す。
行政が管理するために名付けたいわゆる行政地名は、もともとそこに存在した
伝承地名を結果的に上書きしました。そして、そして上書きした行政地名が現
在に至るまで使用されてきました。
そのため、先人たちが伝承地名に託した伝言、すなわちこのあたりの土地には
災害の危険があるという示した教えを、覆い隠してしまいました。
これは、災害地名に込められた伝言を防災に活かすという観点からは非常に残
念なことです。
さて、このように地名を上書きすることは、現代においては意図的に行われて
いる事例が実は多くあります。
その土地に災害の危険があるという先人からの伝言は、その土地に住む人たち
にとっては危険を事前に知る上での重要な情報になります。
しかし、その土地に移り住もうとしている人たちにとっては、危険な土地には
住みたくないと考えてしまう材料になります。そのような地名のついた土地を
買いたくはないからです。
ところが、土地を売る立場にしてみれば、何とか売りたいと考えるのが当然で
す。このため、大規模な住宅地開発の際などには、地名そのものを丸ごと変え
てしまうことすらあります。これが「イメージ地名」と呼ばれるものです。
例えば、丘や台などは大規模に造成された土地の地名として一般的です。
イメージ地名ですから、もともとの地形とは全然関係のない名称がつけられる
ことがあります。中には、掘割があるような低地にこれらの地名がつけられる
ことすら見受けられます。
もっとも、行政地名の中にもかつての伝承地名がそのまま残っている事例も少
なくありません。
また、地名が上書きされてしまった土地でも、小字名や地区名、公民館や学校
の名前、さらにはバス停の名称などにかつての伝承地名を見つけることができ
ます。先人からの伝言は、探してみるとまだ生きていることがわかります。
■編集後記■━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
世間が大掃除をしている年末に、引っ越しの荷物をだいたい片付けることがで
きました。
寝室につながる板の間の本棚に本を並べて机を置くと、仕事場らしくなってき
ました。
タンスをどかせて、隠れていて使えなかった棚も使えるようになりました。注
文した棚板を載せると、さらにかなりの本を並べることができそうです。
残るは、机回りの整備です。
思えば、高校時代からは通学・通勤に1時間以上を費やしている時期がほとん
どでした。長い通勤時間がやっとゼロになりました。