TOP
> 新着情報
> 郊外型大型店舗の評価(家賃減額):不動産鑑定士嶋内雅人のブログ
郊外型大型店舗の評価(家賃減額):不動産鑑定士嶋内雅人のブログ
嶋内不動産鑑定 初回相談無料 お気軽にご連絡ください
044-400-7720 info@rea-shimauchi.com
┌─┐
│1│ 今回の評価実例:郊外型大型店舗の評価(家賃減額)
└─┼────────────────────────────────
この評価は、チェーンストアを営む法人から依頼されました。借りている店舗
の家賃を減額するためです。
対象不動産は、首都圏のある県の周辺部に所在する大型の店舗です。ロードサ
イド型の店舗で、周囲には農地が多くみられます。
家賃の減額ですから、鑑定評価としては継続家賃を求めることになります。一
番手間がかかる評価です。ただ、本件は簡易な方法による評価でいいというこ
とになりました。
簡易な方法とはいえ、私が継続家賃の評価をするのは初めてでした。しかも、
その法人から依頼されたのは、この不動産だけではありません。全部で数件の
不動産の家賃を評価してほしいとのことです。
時間も限られており、正直なところかなり慌てました。まずは、現地に行くし
かないと思い、移動中の電車の中で方針をいろいろと考えました。
窮すれば通ずとは、このことですね。悩みながらも方針を定め、無事に評価が
終了しました。全てではありませんが、1件か2件の減額に成功したとのこと
です。
確か、この当時は税理士試験の所得税法を勉強していたころです。評価方針を
考える一方で、電車内でテキストを読み、計算問題を解いていたことを思い出
します。
┌─┐
│2│ 不動産鑑定評価の知識:地域要因
└─┼────────────────────────────────
不動産の価格は、多数の価格を形成する要因(以下「価格形成要因」といいま
す)の相互作用の結果として形成されます。
そして、価格形成要因は、市場参加者の観点から、一般的要因、地域要因及び
個別的要因に分けられます。
不動産は、他の不動産と隔絶されてそれらと無関係に、個々の不動産が独立し
て存在するわけではありません。
他の不動産とともに用途的に同質性を有する一定の地域を構成して、これに属
することが通常です。
そしてこのような地域では、他の地域と異なるその地域独自の特性を有し、そ
の地域ごとに一定の価格水準が形成されることとなります。
地域要因とは、その地域の特性を形成し、その地域に属する不動産の価格の形
成に全般的な影響を与える要因のことをいいます。
地域要因を考察するときは、それぞれの地域の性格に応じて着目する点が異な
ります。具体的には次の特性に応じた要因項目です。
住宅地域:快適性及び利便性
商業地域:収益性
工業地域;費用の経済性及び生産の効率性
農地地域及び林地地域;生産性及び収益性
例えば、住宅地域では静かな環境が保たれていて日当たりがよいといった特性
です。
┌─┐
│3│ 編集後記
└─┼────────────────────────────────
職人(永六輔)より
「もらった金と稼いだ金は、はっきりと分けないといけないよ。
何だかわからない金は、もらっちゃいけねェんだ」
これに続けて、永さんが書いています。
僕が中学生のとき、NHKの「日曜娯楽版」に投書して、初めて謝礼というも
のをもらったことがあります。
嬉しかったものだから、それを近所の金箔押しの職人さんに言った。このとき、
ビシッと言われたことは、いまでもよく覚えています。
「それはよかった、もらっとけ。
でも、おまえさん、これから大きくなっていくと、何でくれるんだかわから
ない金というものが、ときどきあるからな。それは、絶対もらっちゃいけな
い。
自分でなぜくれたのかわかる金だけをもらえよ。なぜくれるんだかわからな
い金は、絶対もらうんじゃないぞ」
この言葉を政治家と役人に伝えたい。
この職人さんと永さんの言葉で、言い尽くされていると私は思います。