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戸建住宅の評価(担保):不動産鑑定士嶋内雅人のブログ

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│1│ 今回の評価実例:戸建住宅の評価(担保)
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戸建住宅用地が鑑定評価の対象になることは、あまりありません。今回は、鑑
定評価を行ったわけではありませんが、これはひどいと思った事例をご紹介し
ます。

前回と同じく、私がある金融機関に勤務していたときの事例です。不良債権の
担保となっている土地・建物について意見を求められました。

建物登記簿謄本を見ると、建物の所在が「〇〇番地先」となっていました。こ
の表記は、「〇〇番地に隣接する地番のない土地」のことです。どうなってい
るのか。

土地の登記簿謄本は見当たりません。借地だそうです。借地だからといって登
記簿謄本がないとは考えられません。上記の「〇〇番地先」が手掛かりになり
そうです。

事情をきくと、担保不動産は河川敷にあるそうです。河川敷には地番はありま
せんから、建物登記簿の表示が上記のようになったのです。土地登記簿がない
のはあたりまえです。

河川敷に建物を建てることはできます。しかし、建物が占有するために河川管
理者の許可を得なければなりません。さらに河川敷は通常は市街化調整区域で
すので、開発許可が必要です。そのうえで、建築確認を得ることになります。

これらの手続きが行われた形跡は見られません。完全に担保不適格です。また、
このような土地建物の市場価値はほとんどないでしょう。

なぜこんな土地建物を担保にとったのか。不良債権は処理できたのか。20年
以上たった今でも、私の記憶に残るできごとです。


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│2│ 不動産鑑定評価の知識:地域の種別
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不動産評価基準は、不動産鑑定評価の対象となる不動産について、いろいろと
分類して定義しています。対象が定義されないと鑑定評価を行うことはできま
せん。

そのなかで、不動産の種類とは、不動産についてその種別とその類型の二面か
ら定義した概念です。

不動産の種別についてご説明する前に、地域の種別をみてみます。不動産のう
ち土地は、どのような地域にあるのかによってその働きが異なります。

不動産鑑定評価基準は、地域の種別について以下のように規定しています。

地域の種別は、宅地地域・農地地域・林地地域等に分けられます。

宅地地域とは、居住・商業活動・工業生産活動等の用に供され、建物・構築物
等の敷地の用に供されることが、自然的・社会的・経済的及び行政的観点から
みて合理的と判断される地域をいいます。そして、住宅地域・商業地域・工業
地域等に細分されます。

都市部に住む人たちは、宅地地域で生活したり仕事をしたりしています。

農地地域とは、農業生産活動のうち耕作の用に供されることが自然的・社会的・
経済的及び行政的観点からみて合理的と判断される地域をいいます。

農村に住む人たちは、農村集落で生活し仕事は農地地域で行うことになります。

林地地域とは、林業生産活動のうち木竹又は特用林産物の生育の用に供される
ことが自然的・社会的・経済的及び行政的観点からみて合理的と判断される地
域をいいます。

山村に住む人たちは、山村集落で生活し仕事は林地地域で行うことになります。


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│3│ 編集後記
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聞いちゃった!(永六輔)より

「日本人妻という言葉があるのに日本人夫と言わないのは何故ですかね」

ホントなぜですかね。日本人妻といわれるのは、外国でしょう。外国人と結婚
し外国に居住している日本人女性が、日本人妻と呼ばれます。

でもこれが男性だったら日本人夫となるはずですですが、その言葉を聞いた覚
えはありません。

ジェンダーの問題ですかね。