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一つの土地に二つの権利 借地権と底地:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ
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◆―――――――――――― 今回のテーマ ――――――――――――――◆
一つの不動産であっても、複数の権利が存在することがあります。その代表例
が誰か他人に貸している土地です。借りている人には借地権(地上権または賃
借権)があります。貸している人には所有権があります。
不動産鑑定の立場では、借りている人にとってはその土地は借地権となります。
貸している人にとってはその土地は底地となります。
私たち不動産鑑定士が依拠する不動産鑑定評価基準は、それぞれ次のように規
定しています。
借地権とは、借地借家法(廃止前の借地法を含む。)に基づく借地権(建物の
所有を目的とする地上権又は土地の賃借権)をいう。
底地とは、宅地について借地権の付着している場合における当該宅地の所有権
をいう。
これに対して、更地にはその土地を持っている人の所有権しかありません。
更地は、その形状や面積の大小等によって、様々な増減価要因があります。借
地権と底地も更地と同様の増減価要因があります。
さらに、借地権と底地のそれぞれについて、更地とは異なる増減価要因があり
ます。これから数回は、底地と借地権の増減価要因を取り上げます。
借地借家法という法律があります。この法律は、法的な側面から借地借家に係
わる土地利用を規制するもので、借地権の経済的な価値の取扱いに関しては全
く規定がありません。なぜなら、これらの経済的な問題は法が一律に規定すべ
きものではないと考えられているからです。
このような事情があるため、私たち不動産鑑定士は、借地に関しては権利金や
地代の水準及び借地権価格や更新料について、弁護士さんや税理士さんたちか
ら意見を求められることが多くあります。
さらに、相続税や所得税・法人税当の課税上、借地権の評価が問題とされるケ
ースが多くあります。
このように、不動産鑑定士には借地権・底地は避けてできることのできない問
題です。
■編集後記■━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
「寝耳に水」ということわざがあります。デジタル大辞林によると、その由来
は次のとおりだそうです。
元来は、眠っているうちに、大水が出てその流れの大きな音を耳にしたときの
ようだという意味であった。それが不意の事態にあわてふためくことに使われ
ていくうちに、聞こえる意の「耳に入る」が、実際に耳の中に水が入ると受け
とられるようになり、「寝耳にすりこ木」のような表現も現われたと考えられ
る。「吾吟我集」例なども耳に水が入るという理解にもとづいている。
このことわざを「寝耳にミミズ」だと思っていた人がいました。そりゃ、ミミ
ズが耳に入ったらすごく驚くけど。