保養所用地に自動車が入れない
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◆―――――――――――― 今回のテーマ ――――――――――――――◆
遠方にある保養所には自動車が必要ですね。
◎事件の概要
Xは、保養所を建設する予定で土地を買いました。
現地の案内の際、県道に通じる幅約2mの道は村道であるとの説明を受けてい
ました。
売買契約を締結して手付金を支払ったところ、村道と思われていたところは隣
地所有者の土地の一部であることが判明しました。
隣地所有者はXの通行と使用およびその土地の譲渡のいずれも拒否しました。
そこでXは売主Yに対して、この契約を解除して手付金の返還を求めましたが、
Yはこれを拒否し争いとなりました。
(東京高判昭53.9.21 東京地判昭52.5.16)
◎判決
隠れた瑕疵にあたるため契約の解除ができ、手付金の返還を命じました。
◎解説
道路のように見えても、実は個人の土地の一部であることが原因となった事件
です。
この奥にある土地を保養所用地として利用するためには、自動車の通行が心要
な条件であるのが当然です。
当時の普通乗用車の車幅は約1.9m以内のものが多く、道幅は2m程度あれ
ば一台の自動車の通行は何とか可能です。
この2mという道路の幅員は、非常に重大な意味があります。すなわち、都市
計画区域内では、建築基準法43条の規定により、建築物の敷地は道路に2m
接しなければならないからです。
裁判所は「本件土地を買受目的にそって利用するためには、県道と本件との間
には少なくとも自動車一台の通行を可能とする程度の道路が必要である」とし
ました。
これは、保養所の目的の見地から、遠方からの自動車使用による利便を考慮し
たものです。
しかし、道路は他人土地でした。こうしたことを未然に防ぐためには、やはり
公図や不動産登記簿を閲覧して、その所有権を確認することです。
この道路用地が「〇〇市」といった地方公共団体の所有であり、地目が「公衆
用道路」となっていればひと安心です。
しかし、所有権者が一般人であれば、市道等の認定道路になっている、または
位置指定道路か否かを調査しなければなりません。
この道路と思われた土地の所有者は、その使用・通行のすべてを認めなかった
のですから、通行地役権の設定等も不可能でした。
裁判所は、「現状では、直ちに利用することができる出入路は存在していない」
のであるから「隠れた瑕疵」にあたるとして、契約を解除して手付金を返還す
ることを命じました。
◎不動産鑑定の見地から
その土地に建物を建てることができるか否かは、その土地の価値を大きく左右
します。
建てられれば、建物の敷地として多くの収益を獲得できますが、そうでなけれ
ば建物を建てずに資材置場等として使用しなければならないからです。
■編集後記■━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
ミラノ・コルティナパラリンピックが始まりました。
NHKニュースが開会式の様子を伝えるニュースを放映していました。ロシア
とベラルーシの選手団が国旗を掲げて入場するのが認められました。
それにロシアから侵略されているウクライナが抗議し、選手が入場式に参加し
ないことになりました。
イランについては、参加できなくなったことを淡々と伝えました。
いやいや、アメリカとイスラエルはどうなのですか?イランへの侵略は許され
ないでしょう。