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地上阻害物がある土地:嶋内雅人のブログ

https://ameblo.jp/daigotukune/entry-12814541181.html

前回までは、3回にわたって高圧線の下にある土地の価格がどのように下がるのかを考えてみました。

今回は、それ以外の地上阻害物がある土地の価格が下がる要因について検討してみます。具体的には、鉄道や道路の高架下にある土地です。

このような土地を買うことはあまりないでしょうが、借りることはあるでしょう。この場合の基礎となる価格です。

この土地の価格が下がる要因は、二つあります。建物の高さに制限が加わることと、騒音・振動があったり日照・採光が妨げられたりすることによる快適さが損なわれることです。

まず、建物の高さの制限です。地上阻害物がない場合の建築物の高さと、ある場合の高さを比較します。

これをもとに、高さを制限されることによる対象地の価格割合(制限を受けない更地価格に対する割合)を判定し、土地価格を求めます。算式で表すと、次のようになります。

更地価格×高さ制限を受けることによる対象地の価格割合=高さ制限を考慮した対象地の価格

ここで私たち不動産鑑定士が参考にするものの一つに、「公共用地の取得に伴う損失補償基準」に掲げられている階層別効用比率があります。階層別効用比率とは、建物を賃貸することによって得られる純収益を、ある階を基準として表した数値です。

本稿では、地上阻害物がない場合は6階建ての建物を建てることができ、ある場合は2階だとします。

上記補償基準を参考にし近隣地域の賃貸ビルを考慮の上、階層別効用比率を1階を100、2階を80、3階~6階を70と求められたとします。

すなわち、対象地の階層別効用比率は次式となります。
100+80=180

これに対し、高さ制限を受けない場合の階層別効用比率は次式となります。
100+80+70×4=460

よって、価値割合は次のように求められます。
180÷460≒0.39

更地価格のおよそ4割の水準です。およそ6割の減価です。

次に、快適さがそこ合われる点です。数値で一概に表すのは難しいですが、ここでは20%するとします。価値割合は、0.8です。

よって、本件の価値割合は次のようになります。およそ7割の減価です。
0.39×0.8≒0.31


■編集後記■━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………


誰にでも、思い違いはあるものです。でも、これらの思い違いはなかなかすごい。

ある図書館のウェブサイトで見つけました。上が利用者の問い合わせ(誤)、下が正しいもの。

「どうせすぐ死ぬんだから」
 ↓
『すぐ死ぬんだから』内館牧子∥著 講談社 2018年刊
いくらなんでも、「どうせ」はひどい。

「恋のドラゴン」
 ↓
『恋のゴンドラ』東野圭吾∥著 実業之日本社 2016年刊
アチョー!!

「柔らかなしましま」桐野夏生著
 ↓
『柔らかな頬』桐野夏生∥著 講談社 1999年刊
頬がどうしてしましまに?

お手玉るいさんの本ありますか
 ↓
小手鞠るい(コデマリ,ルイ)のことだった 著書多数あんたがたどこさ。

キューボラのアロマティの本ありますか?
(覚え違いではなく、聞き違いの事例)
 ↓
『キューポラのある街』早船ちよ∥著 理論社 1988年刊
ソフトバンクホークスにジョージ・マッケンジーという選手がいました。あっ、城島健司か。

ペンネ
 ↓
雑誌「Pen」
おお、イタリアン。

「カラダの豚」中島らも
 ↓
『ガダラの豚』中島らも∥著 実業之日本社 1993年刊
メタボー。

「彼女はバカだから」
 ↓
『彼女は頭が悪いから』姫野カオルコ∥著  文藝春秋 2018年刊
同じ意味かもしれないけど、身もふたもない。

映画の)タクシードライバー
「モテない男たち」
 ↓
「ドライブ・マイ・カー」は『女のいない男たち』村上春樹∥著  文藝春秋
2014年刊に収載
同じ意味かもしれないけど、身もふたもない。

福井県立図書館の覚え違いタイトル集からでした。
ほかにもいろいろあります。興味のある方は、下のURLからどうぞ。
http://www.library-archives.pref.fukui.lg.jp/tosyo/category/shiraberu/368.html

それにしても、図書館司書はエライ。