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暴力団事務所近くの土地:嶋内雅人のブログ

https://ameblo.jp/daigotukune/entry-12814541715.html

暴力団員は減少しつつあるものの、近所にいてほしくはありません。こんな判決がありました。

◎事件の概要
Xは、1992年3月に、9,100万円で土地を買いました。事務所兼賃貸マンションを建築するためです。

ところが、その土地と交差点を隔てた場所に暴力団事務所がありました。売主Yと買主Xはともに、宅地建物取引業者でした。売主Yは、上記の点には触れず、また宅地建物業者が不動産の売買の契約に先だって行う重要事項説明書にもこの記載はありませんでした。

Xは、損害賠償を請求しました。
(東京地平7.8.29)

◎判決
損害賠償の支払いを命じました。

◎解説
暴力団事務所があるということは、そこに潜在的な危険があるということです。

住宅は快適性が重要な価格形成要因です。その快適性には、安全であるということも重要な要因です。紛争による流れ弾に当たるという危険性だけだはありません。高価な自動車を歩道に駐車したり、入れ墨をした肌を見せてあるくなど、マナーの悪さは住環境の破壊にもなります。

裁判所は、その土地の交差点付近にある反対側の暴力団事務所について、「宅地として通常保有すべき品質、性能を欠いている」としました。

そして「暴力団事務所の存在は本件土地の瑕疵にあたり、かつ、そのような外観を何ら呈していなかったから、隠れたる瑕疵に該当する」としました。つまり、売主の瑕疵担保責任を認めたのです。

そこで注目すべきは、損害賠償の額です。裁判所は、「1,820万円の支払」を命じました。売買代金の20%相当額です。

この暴力団事務所は、一種の嫌悪施設としてとらえることができます。変電所・汚物処理場・産業廃棄物の処理場等についても、ほぼ同様の快適性の阻害要因となるでしょう。

近隣地域の至近距離にある暴力団事務所と汚物処理場等とは、同一視できるものではありません。

しかしながら、快適性を重視する住宅地にあっては、この20%の減価率は参考にはなるでしょう。私としては、もっと大きくてもいいのではないかと思いますが。

◎不動産鑑定の見地から
暴力団事務所が近所にあると、その土地の価格は下がります。十分な調査が必要です。

実際、私が評価しようとした土地の近くに暴力団事務所があったことがあります。少し離れた場所に警察官が立っていたのでわかりました。金融機関からの依頼でしたが、事情を話したところ、評価依頼は取り下げになりました。


■編集後記■━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………


一昨日から、コロナ対策が緩和されました。ようやく正常化に向けて動きはじめました。なにも起きないことを祈る限りです。

ということで、学習会のご案内を差し上げてもいいでしょう。私が講師を務めます。

6月2日(金)18時30分~20時30分に「相続税不動産評価の問題点」というテーマで、学習会を開催します。このメルマガの上の方でもご紹介した、「路線価は本当に正しいのか」も取り上げます。

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参加ご希望の方は、このメルマガに返信のうえ、その旨をお知らせください。