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地盤沈下と新幹線:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ

https://ameblo.jp/daigotukune/entry-12115241357.html

日本での高速鉄道の先がけとなったのは、東海道新幹線です。この東海道新幹線にも、地盤の問題が関わっています。

東海道本線は、明治時代に建設されました。工事の技術が発達していなかったのと、市街地からのアクセスを考慮したのでしょう、昔から人が住んでいた町や村を縫うようにして走っています。

それに対して、後から建設された東海道新幹線は、集落や施設を極力避けて、しかも高速で運転するためにできるだけ直線に近いルートを通すという厳しい制約がありました。

そのため、東海道新幹線は、総延長515キロメートルのうち、軟弱地盤の区間が約70キロメートル、そのうち非常に軟弱な部分が約15キロメートルもあるといいます。

軟弱地盤の区間の工事には、地中深く穴を掘って砂を詰め込み(サンドパイル)、盛土のすぐ下に砂を敷き詰め(サンドマット)、これによって地中の水分を吸い取る方法(サンドドレーン工法)がとられています。

この工法で完成後も長期間にわたって沈下の続くところでは、軟弱地盤の下にある地盤まで、たくさんの支持杭を打ち込んで高架橋にする方法がとられています。

興味深いのは、岐阜羽島駅の近辺です。

岐阜羽島駅は濃尾平野にあり、その付近には厚い軟弱地盤が広く分布しています。長良川に架けられた長い鉄橋の基礎は、約30m地下の支持層(洪積世の砂礫層)にまで杭が打たれています。

他方、その前後の区間は、盛土のところと高架のところが交互に続いています。高架の基礎は、軟弱地盤の中間にあるやや硬い砂層にまで打ち込んだ杭に支えられています。

完全支持層に打った杭に支えられた鉄橋は、ほとんど沈下しません。しかし、中間砂層までの杭に支えられた高架や駅などでは一様に沈下し、鉄橋とそうでない部分との間に食い違いができてしまいます。

橋の取付部分と盛土との間にできた狂いが一定値に達すると、そこを補修しているそうです。

サンドドレーン工法についての解説です。参考になさってください。

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