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買ったマンションに暴力団幹部宅:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ

https://ameblo.jp/daigotukune/entry-12352777568.html


近所に暴力団員が住んでいたとしたら。イヤですね。こんな裁判がありました。

◎事件の概要
Xが、中古マンション(3階建 全18室)の3階部分の1室を3,500万円で購入しました。

ところが、1階部分の1室を暴力団幹部が自宅として使用していることが、入居後に判明しました。

Xは、売主Yに対して契約の解除と売買代金の返還を求めました。
(東京地判平9.7.7)

◎判決
契約の解除は認めず、損害賠償のみを命じました。

◎解説
この暴力団幹部宅からは、深夜にわたって大声で子分を叱りつける声が隣近所に響き渡りました。夏は特にひどいものでした。凄味のある声の絶える間がなく、快適な住環境が阻害されました。

また、この幹部宅を訪ねるために組員が出入りしました。彼らは一目でそれとわかる独特の服装をしていましたので、周囲を威圧するのに十分でした。

この幹部は居住者としての態度にも問題があり、マンションの管理費も長期にわたって滞納していました。

Xは、購入前はこの事実を知らず、入居後に気付いたのです。

裁判所は「居住環境として通常人にとって平穏な生活を乱すべき環境が売買契約時において当該目的物に一時的ではない属性として備わっている場合を含む」として、民法570条の瑕疵を認めました。

そして、「本件事情による価格下落は1割ある」として「損害賠償金350万円の支払」を命じました。しかし、これにより「居住目的が達成できないものではない」として契約の解除は認めませんでした。

この事件では、Xが入居したのが夏の初めの7月でした。窓を開け放っている時期だったため大声が近隣に聞こえ、住環境を阻害する要因となりました。暴力団どうしの抗争が続くような状況であれば、減価率は10%より大きくなっただろうとも考えられます。

◎不動産鑑定の見地から
さて、この判決では減価率を10%としましたが、どうでしょうか。私の感覚では、小さすぎるように思えます。

現在では、暴力団排除条例が全国の都道府県で施行されています。暴力団排除の流れは大きくなっています。このような状況下で同様の裁判があったとしたら、もっと大きな減価率が示されるのではないでしょうか。


■編集後記■━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………


今回の話題は、生きている人間によって不動産の価値が低下したというものでした。他方、以前のメルマガでは、死んだ人間によって不動産の価値が低下した場合を取り上げたことがあります。いわゆる事故物件です。

皆様も知っていらっしゃるかもしれません。事故物件を地図に落としたサイトがあります。「大島てる」です。

https://www.oshimaland.co.jp/

このサイトを見ると、私の自宅のすぐ近くの物件にも「死体発見」などというコメントがついているのがわかります。

事故物件を借りる場合は、家賃が低額になります。中には、安さを優先して好んでこのような物件を借りる人もいるようです。

しかし、世間の大勢はそうではないのでしょう。その証拠が、「大島てる」だと思います。

ふと考えました。病院はどうなのだろう、と。病院に入院している人たちは、妊産婦を除き体の具合が悪い人ばかりです。亡くなる方も多くいらっしゃいます。

高校生のころ、私は検査入院をしたことがあります。私が寝るベッドのマットレスには、何やらシミがありました。

もしやこのベッドで死んだ人がいるのではないかと、イヤな気分になったのを覚えていますが、その上にシーツを敷き、しばらく横になっていると平気になりました。

当たり前ですよね。人は必ず死ぬのですから。